無謀な挑戦
- 2012.01.30 Monday
- 23:16
今年の冬はほんとうに寒いです。
今でこそマイペースでジョギングを楽しんでいる私ですが、ここまで嫌気もささずに続けられているのが自分でも意外です。学生時代はスポーツとはまったく無縁の生活でしたし、社会人になってから一度チャレンジしたものの、挫折した苦い経験があったからです。
社会人になってからのチャレンジ・・・20代後半の頃ですが、過食嘔吐に嫌気がさし、自分を変えたくて「よし!体を鍛えよう!!」と決心したことがありました。
過食症とうつ症状が交互にあらわれはじめて3年ぐらいたった頃のことです。
ウツまっさかりのときはなーんにも意欲が起きないのですが、そういうどん底の時期から少し脱しつつあった私は、「やはりこのままではいかん!心が弱いから過食嘔吐をしたり寝込んだりするのだ。何か打ち込めるものを見つけ、体と心を鍛えられば克服できるはずだ」と思い始めました。
その結果、私が始めたものは
空手
でした。
タウンページで調べて、「近くて通いやすそうだから」という理由だけで、ある空手道場を選びました。
問い合わせの電話をかけると、まずは見学にいらしてくださいとのこと。地図を見ながら会場に向かったところ、看板が見えてきました。少し離れたところでそっと建物の中をのぞいてみると、道着を身につけた男性が数人、稽古をしているのが見えます。サンドバッグを蹴るにぶい音が窓越しにも聞こえてきました。玄関前でしばらくの間様子をうかがって、思い切って「ごめんください・・・」と声をかけると、みなさん一斉に
「オッス!」
と野太い声で返事をしてくださいました。
あとで分かったのですが、格闘技に詳しい方ならまず誰でも知っているという流派でした。知らぬが仏とはよく言ったものです。
しばらく稽古の様子を見学していたら、先生(師範)が来られて、道場についてのおおまかな説明を受けました。女性向けのクラスもあるし、自分のペースですすめていいこと。スパーリングも強制しないこと。ただ、ここはスポーツジムではなく道場なので、道場生として礼儀を守り、自覚をもって稽古してほしいこと・・・といったことでした。
とにかく昔から思いこみが激しくて、一度決めたらその通りにしないと気が済まない性分でしたから、説明を聞いたり稽古を見たりして怖じ気づくということはありませんでした。次の週には胴着を身につけて汗をダラダラかきながら両手両足を振り回していました。
道場でのお作法は慣れてしまえばラクでした。女性の道場生さんも良い方ばかりでしたし、男性陣も個性的で楽しい人が多かったです。
ただし、やはり稽古にはついて行けませんでした。もともとスポーツの経験がないところへもってきて、すでに過食嘔吐のキャリアは10年以上。その頃は酒量も着々と増えておりましたので、しょっちゅうバテたり、頭痛が何日も続いたりして稽古に行けない日が続きました。
それから、行事への参加がだんだんと負担に感じられるようになってきました。
仕事ではないわけだから、たいていの人は自分のペースに合わせて、たとえ他人からあれこれ言われようとも「いい加減」にしておくのでしょう。
しかし、私の場合はここでまた過剰に反応してしまったのです。断わったらいけない気がしてというか、稽古に出られない分お手伝いで貢献しなければとか、心を鍛えるために入門したのだから、やるからには一所懸命やらなければ!と意気込みすぎてしまいました。
結局、身体が思うように動かないことと、少し規模の大きな大会のお手伝いを控えてプレッシャーに負けてしまったのとで、しだいに足が遠のいてしまいました。あとに残ったのは、「また途中で投げ出してしまった」という自己嫌悪だけ。いま思い返しても、お手伝いって言うだけで、責任者でもなんでもなかったんですけどねえ。
師範とはそれから3年ぐらい後に、近所のラーメン屋さんでバッタリ遭遇しました。私は夫と、向こうはスタッフの方とご一緒でした。その頃は私の症状も落ち着いて、トレーニングジムにも通い始めていたせいか、ごあいさつした時に「元気そうじゃの」と声をかけていただきました。
もう今はさすがに、おけいこごとでも格闘技は無理だなあ。
バセドー病の治療でお世話になっている先生からは、「軽い運動ならもう大丈夫ですよ。走るばっかりじゃなくて、なにか別のスポーツでも始められたらどうですか?」と言われているのですが・・・トレーニングジムもお小遣いが続かなくなって中断したきりで、なかなか再開のタイミングがつかめずにいます。
- からだと過食症
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