クロスアディクションであること(3)

  • 2007.03.04 Sunday
  • 19:36
(2013年11月8日、改題、加筆しました)

ちなみに広島市内では、AA(アルコール)、OA(食べ物)、GA(ギャンブル)はあるが、EA(感情の問題)やNA(薬物)はまだありません(注:2013年現在、NAが活動しています)。県内でも山間部では、いまだにAAすら無いという状況です。

12ステップグループが充実している国や地域では、AAではお酒の問題だけを話せるし、薬物の問題はNAで話せるし、それぞれで自分の病気と仲間を確認できます。むしろ話す内容について、きちんとけじめをつけたほうが、グループの成長のためにも、本人の回復のためにもメリットが多いと思います。参加する方も、グループの目的を尊重せずに話したいことを話し、あちこちと12ステップ・ミーティングを渡り歩くのも、いかがなものかと思います。

なにも、”なんでもかんでも受け入れます・アノニマス”のようなグループにしろというわけではありません。ただ、あまりにも条件にとらわれ、個人よりも原理を優先しすぎて、「今、苦しんでいる人に、ひとりの人間として何ができるか。」という視点が抜けてしまっても、これまたよろしくないように思います。「だってキマリにかいてあるから」…たしかに考えなくて済むからラクですけどね。

ともあれ、私はこれからも「強迫的オーバーイーターでアルコホーリックの…」と名乗ろうと思っています。違い探しではなく、自分の病気に正直であるために。

(おわり)

クロスアディクションであること(2)

  • 2007.03.04 Sunday
  • 19:29
(2013年11月8日、改題、加筆しました)

私が県外のミーティングに参加した時に、たまにではありますが、ミーティングが終わった後に「私もとっかかりは摂食障害でした」とか「実は私も食べ物の問題があります。でも今はお酒を第一にとりくんでいます」と打ち明けてくださる方がいらっしゃいます。

また、先日プーケットのオープンミーティングに行ったときも"I am a compulsive overeater and an alcoholic."と言って話をしましたが、あるメンバーがミーティングの後にすぐに私のところに駆け寄ってこられました。彼も私と同じ"compulsive overeating"の体験を持つメンバーだったのです。うれしい出会いでした。AAはあるけれども、他の12ステップグループが無い地域は、日本にも世界にもたくさんあるのだと気づかされました。
もし私が「お酒の問題」にこだわりすぎて、自分の病気を正直に打ち明けなかったら、この出会いや分かち合いは体験できなかったと思います。

自分が「アルコールに問題がある」と感じているならばAAに行けばいいし、その人が薬物にも問題があって、自分が行ける範囲ところにNAがあれば、NAにも通ったほうがよいと思います。たとえそのミーティング場が、AAよりはるかに回復者が少なく、お世辞にも希望の感じられる雰囲気のミーティングではなかったとしても。もし自分が回復しているのなら、それを話す責任があるからです。受け取るか、気づくかは相手に任せればよいことです。仲間は鏡です。苦しんでいた頃の自分を思い出す機会になれば、決して無駄足にはならないはずです。

そして、ホームグループのビジネスミーティングでは、クロスアディクションの人や、アルコールに問題の無い、他の依存を抱えた人がオープンミーティングに来た場合に、どのように受け入れるかを話し合っておくことが必要だと感じています。

クロスアディクトの私が心がけていることは、AAの仲間の前では、いつ、どうやってお酒の問題を認めるに至ったか、そしてAAでどのように回復を目指しているかを、ミーティングでちゃんと分かち合うことです。
その時に自分が過食の苦しみを抱えていたとしても、もしその場にお酒の問題で悩んだり苦しんだりしている新しい人がいるのなら、自分の苦しみを吐き出すのではなくて、AAで得た希望を分かち合うのが先だと思っています。

とはいえ、気心の知れたホームグループでは、メンバーの顔ぶれによってはフランクに話しています。こうしたミーティングの雰囲気に応じての「さじ加減」も、長い間をかけて自然と身についてきたように思います。(もう1回続く)

クロスアディクションであること(1)

  • 2007.03.04 Sunday
  • 19:26
(2013年11月8日、改題、加筆しました)

私がAAミーティングに初めて参加したのが、2001年7月のこと。
当時は、私には飲酒の問題は無いと思っていたことと、私が通える範囲の地域には、摂食障害について話ができる自助グループがまだ無かったので、AAミーティングのなかでも、誰でも参加できる形式のオープンミーティングだけに参加していました。

ミーティングに通ううちに、自分にもお酒の飲み方に問題があると自覚したのですが、それまでに2年以上の時間を要しました。

広島でOAがスタートしたのは、2003年12月からでした。
しかし、私がOAに参加し始めていたのは2005年3月から。つまり、私は摂食障害だとハナから認めていたにも関わらず、OAがスタートしたことを知っていたにも関わらず、なおもAAだけにしか通っていない時期が1年以上もあったわけです。

たいへん申し訳ないことを書くのですが、当時のOAは、とても暗かったのです…。
回復者もゼロに等しく、AAメンバーの「エグい体験をライトに聞かせる」名人芸に慣れていた私は、その重苦しい雰囲気になじむことができずに、1、2回ほど顔を出してはみたものの、定期的に通うことをしませんでした。

いちばんの理由は、自分の欠点をダイレクトに掘り起こされるのが耐えられなかったからです。私をもっとも苦しめた過食という依存に、本当の意味でとりくもうとしませんでした。12ステップも「AAで使っているから大丈夫」とタカをくくっていたのです…まあ、そうやって「棚上げ」をした結果、やっぱりしんどくて、代償はしっかりと払わされたましたが。

私はいま、ミーティングでは、AAでもOAでも、「強迫的オーバーイーターでアルコール依存症の○○です」(ミーティングによって病名の順番を入れ替えます)と言って、分かち合いをさせてもらっています。けっして「私はみなさんとは違う」と言いたいからではなく、自分が何者であるかを絶えず忘れないようにするためです。

もちろんAAでは「飲酒をやめたいという願い」が最優先されますから、「ここはAAミーティングだから、”アルコホーリック”とだけ名乗ってください」と言われたら、それがそのグループで決められたことなら、そのように従いますし、分かち合いの内容も配慮したく思います。ただし、「なぜ私はふたつの病を名乗るのか」は、自分がお酒の問題を認めた経緯も交えつつ、自分なりに説明したいとも思っています。今のところ、それがもとでトラブルになったことはありませんが。(この項つづく)

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