勝負師が生き残ること

  • 2013.09.03 Tuesday
  • 12:21
あっと言う間に8月も終わってしまいました。
ここ数年、暑い暑いと言ってるうちに夏が終わっているような気がします。とくに今年は腰痛の治りが遅くて、海にも花火大会にも、そして大好きな野球観戦にも行けずじまいでした。今年の暑さは半端ではなかったので、どのみち出かけることはなかったのかもしれませんが、行けるけど行かなかったというのと、身体の具合が悪くて最初から選択肢がないのとでは気分の滅入りかたが違います。

そんな今年の夏、エアコンの効いた部屋で座ったり横になったりしながら少しずつ読んでいったのがこちらの本。

プロ野球 コンバート論 赤坂英一

タイトルに「論」とついていますが、コンバートを経験したプロ野球選手を追ったノンフィクションで、とても読みやすかったです。学生時代の部活や草野球など、実際にプレーしたことのある人が読んだらもっと面白いと思います。

現役で活躍中の選手、レギュラーを目指して奮闘する若手選手の意気込み、その選手に関わるコーチや監督の心境や現役時代の経験談がていねいな取材をもとに書かれています。世代や球団を超えて「ああ、こんなところで人と人がつながっているんだ」という、偶然とも必然ともとれる縁を感じました。

カープファンの私としては石井琢朗コーチや古葉監督(ベンチの端で、物陰にかくれるようにして立っていた訳がやっと分かりました)、それから本人への直接の取材ではありませんでしたが、高橋慶彦さんのことが書かれていたのがうれしかったです。

コンバートと言っても、そのときのチームの事情や指導陣の方針、そして選手のとらえ方によって千差万別です。自分からコンバートを直訴した選手もいますし、まったく転向する気の無かった選手もいます。ドラゴンズの森野選手があそこまでサードに思い入れがあったとは想像もしませんでしたし、小谷野選手の話には「え、スポーツ選手が、あんなタフな身体の人がそんな経験をするなんて!」とおどろき、糸井選手のエピソードには場面を想像して吹きだしてしまいました。

いちばん印象に残ったのが元タイガース/マリーンズの遠山獎志さんの言葉です。

「新しいことを始めるときは、何も無理矢理自分で自分を納得させたりすることはない。とりあえずやってみようと、そういう柔軟な姿勢、リラックスした気持ちで取り組んだらいいんですよ。ぼくは、いろんなことを経験しているうち、自然にそう思えるようになりました。そういう生き方をしてたら、自分でも驚くようなことができる、思ってもみない結果が生まれるかもしれないんだから、と」

やわらかい表現をされていますが、そこはシビアな勝負事の世界。けっして自分のタイミングや努力だけでチャンスが掴めるわけではない、厳しい現実を乗り越えてきたからこその言葉だと感じました。遠山さんは「ぼくの場合は、人に恵まれたんです。…(中略)…節目節目でいい人に出会えましたから。ぼくと同じころにコンバートされて、ひとりだけの力ではどうにもならなかったという選手も結構見てるんで、余計にそう思います」とも述べられています。選手自身の決心とチームの構想の時期がずれてしまって、日の目を見ずにプロの世界から去った人も数えきれないぐらいいると思います。

あー、やっぱり球場で観戦したくなってきた。公式戦も終盤、ホームでの試合も今月の半ばまでなんですよねえ。1試合だけでも都合がつかないかな。
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