不眠症

いやもう、参りました。
ひさびさに不眠の症状が出ております。
20代の頃に摂食障害をこじらせて不眠やうつ症状に苦しんだことはありますが、ここまで眠れない時間の長さと期間が続くのはそれ以来、過食嘔吐がおさまってはじめてではないかと思います。

年内に私の置かれている環境が大きく変わるので、そのせいだと分かるのですが、その環境の変化はけっして私にとって悪いものではありません。むしろ喜ばしいことだし、長い間望んでいたことだし、現実的にトラブルが起こりそうな要素(経済的なこととか人間関係とか)はひとつもないのです。もっとウキウキするかと思っていたのですが、それなのに……。

主治医からは「日ごろ心身が健康でも、今のあなたのような状況になったら体調を崩す人もいますし、けっして性格のせいではないですよ」と助言されました。
しかし、眠れないときのためにということで頓服薬(入眠剤)が出されました。
私の先生はめったなことでは処方を変えないので、ああやっぱりただの不調ではないのだなあと自覚した次第です。

「実際に環境が変わってしまったら、そこでやらなければいけないこともたくさんあるので、また気分も変わると思いますよ」とも言われました。たしかに今は「来るぞ来るぞ」と身構えているけれど、私の一存では物事を進められないもどかしい状態なので、いらぬこともあれこれ考えてしまうのかもしれません。

この年の瀬から春先まで、なにかとあわただしくなりそうです。
いつも以上に体調に気をつけて、目の前のことをひとつひとつ片づけていきたいと思います。
 

執着のない人

知り合いの方(男性)が食事療法を実践して、みるみるうちに身体がひきしまってきました。

もとよりメタボとは無縁の体型をしておられたのですが、血液検査の結果で一部基準を超えた値が出てしまったそうです。見かけでは分からないものです。

食事制限を開始して約3ヵ月、指示を守った甲斐もあって順調に減量できているようです。
通勤や仕事で1日10,000歩は軽くクリアする生活を送っているらしいので、食事はどうしているのかかたずねると、

「いやー、細かいきまりは無いですよ。毎日炭水化物を控えればいいだけですから」

というサラーッとさわやかなコメントを頂戴しました。

ずいぶん前にAAのイベントでシュークリームの差し入れをみんなで頂いたときも、あるメンバーが「この時間に食べたら、もう晩ゴハンは入らない」と言うのを聞いてびっくりしたことがあります(まだ夕方の4時ぐらいだったと思う)。

普通の人って、何事も少しずつ、あっちもちょろっと、こっちもちょろっと、といった具合に出来るんだろうと思います。

そういえば前の職場で「毎月の給料日に5,000円分ほど、パチンコをするのが楽しみなんです」って言って、景品と思われる「海物語」のボックスティッシュをデスクに置いていた人がいました。そのお話を聞いた少し前にギャンブル依存症の人の体験を聞いていたので、よけいに覚えています。

帰宅して「やっぱり食べ物に執着の無い人っているのよね」と夫に話したら、「今日ね、○○君(共通の友人)に会ったんだけど、『えー、あれからまだお酒を飲んでないんですかあ??』って驚かれたよ。彼に悪気は無いんだけどね。いずれまた飲めるぐらいにしか思ってないんだろうね。普通の人の感覚ってそんなもんだろうと思ったよ」とシミジミと語られました。やっぱりそうですか。

さっきの男性の話に戻りますが、やはり医師の指示のもとに運動と食事に配慮して、それを日々実践するというのが一番のようです。私なんか腹八分目という食事を1日こなすだけでものすごい修業をしている気分になってましたもんね。ひとたび手段が目的化(=ストレスから過食してたのが、ストレスの原因が解消されても異常な食行動は残ってしまった)というか、やめられない止まらない状態を経験してしまったので仕方ないことではあるのですが。

食べ物とは一生おいしくお付き合いをしたいので、腹八分目=ちょっと物足りないかな、というぐらいのスタンスでやっていこうと思います。人付き合いも似たようなものかもしれませんね。

無謀な挑戦

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今年の冬はほんとうに寒いです。

今でこそマイペースでジョギングを楽しんでいる私ですが、ここまで嫌気もささずに続けられているのが自分でも意外です。学生時代はスポーツとはまったく無縁の生活でしたし、社会人になってから一度チャレンジしたものの、挫折した苦い経験があったからです。

社会人になってからのチャレンジ・・・20代後半の頃ですが、過食嘔吐に嫌気がさし、自分を変えたくて「よし!体を鍛えよう!!」と決心したことがありました。

過食症とうつ症状が交互にあらわれはじめて3年ぐらいたった頃のことです。
ウツまっさかりのときはなーんにも意欲が起きないのですが、そういうどん底の時期から少し脱しつつあった私は、「やはりこのままではいかん!心が弱いから過食嘔吐をしたり寝込んだりするのだ。何か打ち込めるものを見つけ、体と心を鍛えられば克服できるはずだ」と思い始めました。

その結果、私が始めたものは

空手

でした。

タウンページで調べて、「近くて通いやすそうだから」という理由だけで、ある空手道場を選びました。
問い合わせの電話をかけると、まずは見学にいらしてくださいとのこと。地図を見ながら会場に向かったところ、看板が見えてきました。少し離れたところでそっと建物の中をのぞいてみると、道着を身につけた男性が数人、稽古をしているのが見えます。サンドバッグを蹴るにぶい音が窓越しにも聞こえてきました。玄関前でしばらくの間様子をうかがって、思い切って「ごめんください・・・」と声をかけると、みなさん一斉に

「オッス!」

と野太い声で返事をしてくださいました。

あとで分かったのですが、格闘技に詳しい方ならまず誰でも知っているという流派でした。知らぬが仏とはよく言ったものです。

しばらく稽古の様子を見学していたら、先生(師範)が来られて、道場についてのおおまかな説明を受けました。女性向けのクラスもあるし、自分のペースですすめていいこと。スパーリングも強制しないこと。ただ、ここはスポーツジムではなく道場なので、道場生として礼儀を守り、自覚をもって稽古してほしいこと・・・といったことでした。

とにかく昔から思いこみが激しくて、一度決めたらその通りにしないと気が済まない性分でしたから、説明を聞いたり稽古を見たりして怖じ気づくということはありませんでした。次の週には胴着を身につけて汗をダラダラかきながら両手両足を振り回していました。

道場でのお作法は慣れてしまえばラクでした。女性の道場生さんも良い方ばかりでしたし、男性陣も個性的で楽しい人が多かったです。

ただし、やはり稽古にはついて行けませんでした。もともとスポーツの経験がないところへもってきて、すでに過食嘔吐のキャリアは10年以上。その頃は酒量も着々と増えておりましたので、しょっちゅうバテたり、頭痛が何日も続いたりして稽古に行けない日が続きました。

それから、行事への参加がだんだんと負担に感じられるようになってきました。
仕事ではないわけだから、たいていの人は自分のペースに合わせて、たとえ他人からあれこれ言われようとも「いい加減」にしておくのでしょう。
しかし、私の場合はここでまた過剰に反応してしまったのです。断わったらいけない気がしてというか、稽古に出られない分お手伝いで貢献しなければとか、心を鍛えるために入門したのだから、やるからには一所懸命やらなければ!と意気込みすぎてしまいました。

結局、身体が思うように動かないことと、少し規模の大きな大会のお手伝いを控えてプレッシャーに負けてしまったのとで、しだいに足が遠のいてしまいました。あとに残ったのは、「また途中で投げ出してしまった」という自己嫌悪だけ。いま思い返しても、お手伝いって言うだけで、責任者でもなんでもなかったんですけどねえ。

師範とはそれから3年ぐらい後に、近所のラーメン屋さんでバッタリ遭遇しました。私は夫と、向こうはスタッフの方とご一緒でした。その頃は私の症状も落ち着いて、トレーニングジムにも通い始めていたせいか、ごあいさつした時に「元気そうじゃの」と声をかけていただきました。

もう今はさすがに、おけいこごとでも格闘技は無理だなあ。

バセドー病の治療でお世話になっている先生からは、「軽い運動ならもう大丈夫ですよ。走るばっかりじゃなくて、なにか別のスポーツでも始められたらどうですか?」と言われているのですが・・・トレーニングジムもお小遣いが続かなくなって中断したきりで、なかなか再開のタイミングがつかめずにいます。

グリーンスムージーとかローフードとか(生のまま食べるのがほんとに良いの?)

以前、家で野菜ジュースを作って飲んでいるという話を書きましたが、気候も涼しくなってきたし、さすがに毎日だと飽きてきてしまいました。

野菜は体のためにも積極的に摂るほうがいいので、このごろは味噌汁の具にしたり、おひたしや炒め物など、その日の気分に合わせて食べるようにしています。

さてさて、ここ最近ですが、生野菜を積極的に摂りましょうという主旨の記事を、複数の女性向け雑誌で見かけました。

私がジューサーをガーガー言わせて作っていた野菜ジュースですが、あれは「グリーンスムージー」と言うそうです。ああ、食物繊維をそのまま飲むから、ジュースじゃなくてスムージーということなのかな。

目新しい単語をわざわざ作り(極力横文字で)、ファッション雑誌のコラムなどで紹介し、「ストイックな私ってステキ」な気分やおしゃれな雰囲気を演出するっていうのは、前回の一件に限らず、ほんとにもう、昔からよーくあることです。

・・・と、一人で突っ込みながら読んでいた私ですが、いくつか見かけた記事のなかで、ことさらに生野菜、もしくは加熱しない料理にこだわるような主張があったり、限られた食材や特定された食べ方を推奨するものも見受けられました。

人の口に入れるものは大事なんだけど、ダイエットや一部の食餌療法って、ともするとカルト的な臭いがするのよねーなどとと思いつつ、
気になったのでいろいろとネットで調べてみました。

そして見つけたのが以下の記事です。

私が勝手に一部分だけ引用して、筆者の方の主旨と違ってしまったら申し訳ないので、リンクだけを貼っておきます。

繰り返しになりますが、おいしく楽しんで食べられるのなら、それがいちばんです。

Rascal's Daydream さんのブログから:

ローフード・ダイエット

アガベシロップと糖尿病


とらねこ日誌さんのブログから:


マクロビと呪術

食品と酵素


管理栄養士のおかしな主張:その1


管理栄養士のおかしな主張:その2

美しい?野菜ジュース(または20代に試した無謀なダイエットのこと)

鍼の先生から、「毎食、意識して野菜を積極的にとるようにしたらいいですよ」とアドバイスされました。

しばらく焼きナスやおひたしを繰り返し食べていたのですが、なんだか飽きてきたので、ながらく使っていなかったミキサーを引っぱりだして、ジュースにして飲んだりしています。

キャベツやレタスをベースに、小松菜を少し入れます。甘みをつけるためにハチミツかリンゴ、バナナを投入して、スイッチオン。
できあがりはジュースと言うよりも緑色のどろどろした不気味な液体という感じですが、便秘気味の私にはこのどろどろ(食物繊維)が合っているみたいです。

毎日必ず!などと決めずに、気が向いたときにガーッとミキサーにかけて飲んでいるのですが、ふと、20代のころにひたすら野菜ジュースを飲んでいた時期があったことを思い出しました。

もう15年以上前のことになるでしょうか。ある女性向け雑誌に、独特なダイエットを実践している女性がエッセイを連載していました。
その方はたしか作家だったと記憶しています。

ある時、彼女は古くからの知人とひさかたぶりに会うのですが、糖尿病を患っていたはずの知人がすっかり回復し、しかも会食のときに口にしていた食べ物や食べ方が、世間で常識とされている糖尿病患者への指導とはかけ離れたものだったことに驚愕します。

やがて彼女はその知人を治療した臨床医のもとをたずね、食餌療法を聞き取り、自分なりにアレンジして実践しはじめます。
彼女が「アレンジ」し、不特定多数の読者に披露していたダイエット、食事のガイドラインとは、次のようなものでした。

・米、砂糖、イモ類、豆類は一切ダメ。炭水化物で食べて良いのはパスタや「酵母と塩と小麦粉だけで作られた」パン。

・そのかわり、たっぷり摂っても良いのは、油と塩。良質なバターやエクストラバージンオリーブオイル、天然塩など。

・青菜類はいくら食べてもよい。でもキャベツは(なぜか)ダメ。

・牛乳はぜったいダメ。

・1日2〜3リットルのミネラルウオーターを飲む。塩分補給として、天然塩をたっぷり。

これを、ひたすら毎日くりかえすのです。
そうすると、毎食(毎日じゃないよ、毎食だよ)便通があるそうです。その便もケチャップ状なのが望ましいのだそう。

この女性作家は、このダイエットのおかげで身体も快調になったばかりではなく、人生に対してもとってもポジティブになれたのだとか。

当時の私は、「○○だけダイエット」や「××式ダイエット」をとっかえひっかえ試していて、そのうちにキレて過食嘔吐に走る、ということを繰り返していました。

某女性雑誌(大手出版社の20代向けの女性雑誌で、現在も刊行されています)の連載ページには品の良い挿し絵があしらわれていたり、外国由来の野菜や高級食材が紹介されていて、非常におしゃれな印象を受けたのをおぼえています。連載記事は好評だったようで、単行本にもなりました。

もちろん、私も飛びつきました。単行本も買ったし、雑誌の連載も読みました。今度こそうまくやってやろうと思って。なんたって、ヤセることで人生がポジティブになるんですもの。

まずはオリーブオイルや天然塩、バターを調達。糖分や添加物の入っていないフランスパンや天然酵母のパンは近所のスーパーやコンビニでは売っていませんので、わざわざ街中のパン屋さんまで出向きました。そして菜っ葉を毎日せっせと買い込んでは、ミキサーをガーガー鳴らして野菜ジュースを作り、ミネラルウォーターに天然塩をごそっと入れてがぶがぶと飲み続けました。

なにせ食材にこだわるダイエットなので、けっこうなお金がかかりました。でも過食嘔吐のために使う食費に比べたら、いいことに使うんだからと思って続けたのです。

でも、3ヶ月ぐらいのものだったかなあ?結局挫折したんですよ。ダイエット法にかなったパンを売っているお店が、毎日通うには少し遠かったんです。それで数日分を買い置きしていたのですが、これが悪かった。ついにある日、長ーいフランスパンを丸ごと1本、バターをこってりなすりつけながら平らげてしまいました。

過食嘔吐を続けて、空腹・満腹の感覚も、身体が何を欲しているのか分からなくなっているのに、そこへ持ってきて極度に炭水化物を避けた、偏った食事をしていたら、そりゃあキレますよね。

ところでこのダイエット、ある事件のために急速にすたれてしまいます。
肝心の提唱者である彼女自身が倒れ、急死してしまったのです。
くだんのダイエット方法が死因に直接関係したのかどうか分かりませんが、低血糖による急性心不全とも、多臓器不全とも言われています。

当時の女性週刊誌は彼女の著作をもじって「世にも恐ろしいダイエット」という見出しで彼女の訃報を伝えていました。
その頃、長年の過食嘔吐のために心身ともに不調をきたしていた私は、心療内科の待合室で週刊誌を読みました。ギョッとしました。
記事には、彼女はもともと持病があって薬を処方されていたのに、ダイエットにはまりこむあまり、自分の判断で断薬をしていたとも書かれてありました。良質な食材にこだわるあまり、ケミカルな物質をいっさい拒否するようになってしまったのかもしれません。

さらにその週刊誌は、彼女が師と仰いでいた医師にコメントを求めていました。
いわく、「あの食事方法はきちんとした医師の指導と管理のもとでやるべき一種の療法で 素人が独断でやるものではないのですが・・・」という主旨だったと思います。そりゃあそうだ。その医師はエッセイ連載中から実名を公表することを固辞していました。とばっちりを受けなくて良かったですね。

いまでも、新手のダイエット法がつぎつぎと出てきては、メディアで紹介されています。需要と供給があるかぎりなくならないでしょう。
たしかに、極端な食事療法を実践して健康な身体や精神を手に入れる人もいると思います。
ひとりでもそういうひとが居るなら、事実だからということで宣伝になるんです。
でも、私みたいに食べ物や食事に強迫的で、人との関わりよりも何よりも、食べることが人生の第一の目的になってしまうような人間には向かないですね。

常識でものを考えることもとても大事だと思います。そして、自分がちょっとでも「えー??」と疑問に感じたら、手をださないほうが無難でしょう。

おいしく楽しく、ほどほどに・・・が一番だと思います。

体重にまつわる夫婦の会話

地上波の放送を見ていたら、某化粧品&健康食品会社のプロテイン飲料のコマーシャルが流れました。これまでの友近さんにかわって、こんどは中澤裕子さんです。

「44.2キロ!」という決めゼリフとともに微笑む中澤さんに、

そんなもんを飲む前から十分細かったやろ!

と、画面に向かって突っ込んでしまいました。

毒づく私に、「そもそも、女性の標準体重っていくらぐらいなん?」とダンナが訊いてきました。「男性は身長から100cm引いて0.9をかけるって言うけど」

私「女性もそのぐらいだと思うけど…でもね、私が過食嘔吐まっ盛りだったときは、私の身長から計算したら、『多くても、最悪でも45キロ、できれば42キロぐらいになりたい!』って思っとったよ。」

夫「ガリガリやないか!」

私「でも、それぐらいじゃないと嫌だって思うんだって」

夫「骨川スジ子ちゃんやないか!骨太な人や筋肉質な人もおるじゃろうに」

私「だからさー、私が(あのコマーシャルが)あざといなーって思うのは、そういう体重の数値をデカデカと出してるところなんよね。45キロじゃなくて44キロってあたりが。

そんな私もかつては熱烈なダイエット教信者でした。この手の「普通の食事をプロテインにおきかえましょう!」ってな方法もとうぜん試しました。

が、猛烈な飢餓感に耐えかねて数日分(←数食分じゃないよ)のプロテインを一気に飲みつくしてしまうという残念な結果に。その当時も過食嘔吐をガンガンに繰り返してましたから、もう胃袋や脳みそのセンサーがトチ狂ってたんでしょうね。

骨川スジ子なんて表現をひさびさに聞きましたが、あんなコマーシャルを見て体重の数字の強迫観念に襲われちゃう子がいっぱいいるんだろうなあ。たしかに、プロテインダイエットをしたすべての人が摂食障害になるわけじゃないんだけど…なんだかなあ。

楽してヤセたい

私にとってラクをしてヤセるための手っ取り早い方法は、なによりも過食嘔吐でした。
いっぽう「こんな、体に負担のかかることをいつまでもしててもなあ」とも思うこともありましたが、運動なんてハードな事もしたくありませんでした。

ある日、一つの広告が目に止まりました。「体操で痩せる」とうたったそのお店は、整体をアレンジした痩身法が売りでした。ふと、「エステサロンみたいに莫大なお金がかかるのは嫌だけど、ここならいいかな…」と思いつき、予約の電話を入れました。

お店は繁華街にほど近い、雑居ビルの中にありました。だだっ広いフロアに、生徒(客?)がマットの上に寝そべって足を曲げていたり、腰にベルトを巻いた人たちが数人、前に並んでその場で足踏み運動をしています。従業員は皆、もっともらしく白衣を着ています。

私は白衣のおばさまに言われるままに、マットの上にうつぶせになりました。その途端、おばさんはムギュッと私の腰の肉をひねるようにつかみ、「○○さんっ!」と、いきなり私の名前を叫ぶではありませんか。そしてたたみかけるように「こんなところにまでお肉がついて!運動していない証拠ですよ!」と高飛車にまくしたてられました。

たった今顔を合わせたばかりなのに、なんだこのババアは!

さすがの私も、自分の体型をクサされたことよりも、おばさんの態度にムカッと来ました。

そもそも、体型に悩みのない人や、運動が苦にならない人は、最初からそんな店には行きません。太っていることがこの世の罪悪と言わんばかりの態度で詰め寄るのが、あの人達の戦法だったのでしょう。

その後、「オリジナル骨盤体操」なるものを指導されましたが、なんだか腰を痛めそうな不思議な動きでした。

最後には、骨盤矯正ベルトと枕が何円、と言われましたが、「今度にします」と断り、初回料金だけ支払って、逃げるように帰りました。なんで、お金を払う人間が、叱られながら通わないといけないんだ?

今、トレーニングを続けているから分かるのですが、腰まわりの肉は落ちにくいのです。有酸素運動とウエイトトレーニングを続けていけば、体は引き締まるし、サボれば肉が付く。

さて、私が怒鳴られたその店は、今でも同じように広告を出しています。つぶれていないということは、怒られながらでもヤセたい人がいるんでしょうね。

風呂につかってぼんやりしてみた。

ついでに、たくましく育った腕やふくらはぎを眺めてみた。

この筋肉も、骨も、色んな人の助けを借りて、何よりも食べ物の力をもらって、作ってきたんだ。

ゆっくりでも、一時間走り続けられる力も。

これは、私の財産。きっかけは与えてもらったけど、今は私の財産。

キラキラしたものも、ドロドロしたものも、私たちは抱えて、これからも生き残っていきたい。

怒って、泣いて、笑って、悪いことも良いことも手放し続けられたらいいな。

人間ドックに行ってきました。

頭や性格の調子が悪いのは仕方ないとして、せめて身体のチェックだけはしておこうと思い、受診しました。

ひととおり検査が終わって、先生の問診を受けたのですが、この方がとても面白かったのです。実に歯切れの良いテンポでコメントをされるのです。良い・悪いをハッキリとおっしゃるので「この先生は信頼できるなあ」と感じました。「中性脂肪」の欄のところで、ふいに

「運動してるでしょ!?」

とたずねられました。「基準値より低いんですよ、これは運動を習慣にしていないと出ない数値なんです。低いのは全く構わないのでね。」

「他もいいですね。数字を見てても気持ちがいいですね。ハイ、当たり前ですけど、異常ナシです。」

実は今回利用した病院は、彼氏がお酒で倒れたときに、救急車で担ぎこまれた病院でした。今回私に対応をされた先生のことも知っていて、帰って彼氏に話をしたら、「あの先生が、そんなに褒めるなんて滅多に無いよ。久しぶりに健康な人間を見たんだろう。」と言われました。

アルコール依存症の人たちの平均寿命は、52歳だそうです。どの本だったかは忘れましたが、アルコールと摂食障害を持ち合わせて、病院で亡くなった方の年齢が、おおむね30代だと知ったときは、とてもショックでした。

私はいま33歳ですが、死んでいても、ちっとも不思議ではないわけです。

私には、回復したいと願ったときに、それに応えてくれる身体が残っていました。あれだけいじめ抜いたにもかかわらずです。

この身体をもらっただけでも、親に感謝しなきゃと思いました。これだけで充分だって。

食べ物が「数字」に見えた時期がありました。

それもかなり長い期間です。
おむすびは1個○○キロカロリー、シュークリームは○○キロカロリーといった具合です。

1日あたり、私は何キロカロリーまで許されるかを自分で勝手に決めていました。カロリー数が少ないという理由で、まずいダイエット食品を流し込みました。別の日には、数字の帳尻さえ合えばよいとばかりに、昼食をお菓子だけで済ませたりしました。

過食する前と、吐いた後には必ず体重計に乗りました。500グラムでも目盛りが右に動いていると気が狂いそうになりました(今だから、その時点ですでに狂っていたとわかるのですが)。

人と外食をしても、トイレに駆け込んで吐くことばかり考えていました。話なんて聞いちゃいません。少しでも消化されてしまうのが嫌でたまらなかったのです。そんなことだから、だんだん人に会うのがおっくうになってきたし、自宅で過食をしていても、その最中に電話がかかってきても出ませんでした。

いまでも、ショーウィンドーに飾られているのは細いデザインの服ばかりだし、
同じ雑誌の中にグルメ情報とダイエットの記事が載っているし、
多くの女の子はダイエットに興味を持っています。

さて、今の私は「よいと思うもの」が変わることで生き延びています(変えたのではなく、変わった、という感じ)。
「ほんとうに」食べたいものを食べたいときに食べ、
その分しっかり身体を動かし、
身体と心が限度を超えないように、専門的なことは病院の先生とジムのコーチにお任せし、
そして、生き方についての指針や第六感を、ミーティングからもらっています。